こんにちは、ふじみや です。
前回、IPアドレスについてご説明をする中で、クラスについても触れました。
この「クラス」は構築するネットワークの規模によって、各コンピュータに割り振られるIPアドレスが異なってくるということを意味していますが、クラス毎に規模が違いすぎる難点があります。そこで、より実務的には サブネット によりネットワークを分割し、管理していくことになります。
サブネット は基本情報技術者試験で頻出する内容でもありますので、資格取得を目指す方やネットワークの構築をやってみたいという方は必ず覚えておきましょう。特に、基本情報技術者試験の勉強をされる方は『イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室』という本が分かりやすくてオススメです。
サブネットとは
IPアドレスは ネットワーク部 と ホスト部 の2つで構成されています。クラスAであればネットワーク部は8ビット(ホスト部は24ビット)、クラスBであればネットワーク部は16ビット(ホスト部は16ビット)、クラスCであればネットワーク部は24ビット(ホスト部は8ビット)となります。
サブネット とは、このうちホスト部を分割させた規模の小さいネットワークのことを意味し、そういったネットワークを作ることを サブネッティング といったりもします。
サブネットでできること
サブネット を使うことでネットワークをより細分化できることが分かりました。これにより、例えば会社の中で部署ごとに小規模なネットワークを構成し、部署AからはサーバーBに接続できるが部署Cからはできない、といった管理をすることができるようになります。
サブネットマスク
サブネットマスク とはサブネットの範囲を指定するために使われるもので、これによりIPアドレスのネットワーク部とホスト部の区切りを明確にするものです。例えば、次のように表記されます。
これだけだとどこで区切るのか分かりませんよね。そこで、この数値を2進数(32ビット)で表記してみましょう。
サブネットマスクでは、1はネットワーク部を、0はホスト部を表しています。ネットワーク部は「東京都千代田区千代田」のような地域を意味し、ホスト部は「1番1号」のような番地を意味していると思ってもらえればと思います。
そのため、この 255.255.255.0 というサブネットマスクには全部で256個の番地があるということになります。
CIDR表記
このサブネットですが、IPアドレスをサブネットマスクを別々に記載することもありますが、まとめて記載するCIDR(サイダー、Classless Inter-Domain Routing)という方法もあり、このCIDR表記で用いられる「/24」はネットワーク部が24ビットあることを意味しています。
サブネットマスクの計算
基本情報技術者試験では「このIPアドレスが所属するサブネットはどれか」みたいな問題が出てくることがあります。ぱっと見ではよく分からないかもしれませんが、落ち着いて2進数表記での計算をしてみましょう。
割り振りできないIPアドレス
実はIPアドレスには機器に割り振ることができないものが存在します。
それは、ホスト部のビットが全て0となる場合と1となる場合です。ホスト部のビットが全て0のアドレスはネットワークそのものを表す ネットワークアドレス といい、ホスト部のビットが全て1のアドレスは ブロードキャストアドレス といってこのアドレスに送信されたメッセージは同一ネットワーク内の全てのアドレスに送信されることとなります。
例えば、192.168.0.0/24のサブネットでは、192.168.0.0(ホスト部のビットが全て0)はネットワークアドレス、192.168.0.255(ホスト部のビットが全て1)はブロードキャストアドレスとして、機器に割り振ることができません。
そのため、サブネットマスクが255.255.255.0(または/24)のネットワークにおいて利用できるIPアドレスの数は2の8乗(256)個からネットワークアドレスとブロードキャストアドレスの2個を除いた254個ということになります。
まとめ
サブネットは日常的にはなかなか触れることがありませんが、1つのネットワークを複数に分割する際に必須となる知識です(基本情報技術者試験にも頻出します。)。
サブネットの計算などは少し分かりにくいかもしれませんが、IPアドレスを2進数に置き換えることができれば簡単ですので、焦らずじっくりと取り掛かりましょう。
それではまた。次回はNATとDHCPについてご説明をします。
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