こんにちは、ふじみや です。
以前、マインクラフト用のマルチサーバーを立ち上げる記事内でIPアドレスの固定化についてお話をしたのと、ニンテンドースイッチ版マインクラフトでマルチサーバーに接続する方法についてご説明をした際に「IPアドレス」という単語を使いました。
今回はIT基礎知識ということで、この「IPアドレス」についてご説明をします。
なお、この「IPアドレス」はITパスポートや基本情報技術者試験では頻出しますので、IT関連の資格にご興味のある方は必ず覚えておきましょう。特に、基本情報技術者試験の勉強をされる方は『イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室』という本が分かりやすくてオススメです。
IPアドレスとは
IPアドレス とは 172.217.175.110 のような数値にて表記されるウェブサイトの住所を意味します。(ちなみに、このIPアドレスはGoogleのアドレスです)
コンピュータは 0 と 1 のみを使って(=2進数で)計算をしているというのはご存じの方も多いかと思いますが、このIPアドレスも実は2進数32桁(32ビットともいいます)で成り立っており、そのままだと分かりにくいので10進数表記がされています。
このIPアドレスは示す範囲ごとに区分けがされており、またその中でもグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスに分けられています。
IPv4とIPv6
172.217.175.110 のような表記のIPアドレスはIPv4(Internet Protocol version 4)と呼ばれるもので、アドレス数は2の32乗(約43億)個となります。
しかしながら、IPアドレスはネットワーク上の住所を指し示すものであることから重複してはいけないルールとなっています。そのため、IPv4のアドレス数が枯渇することとなってしまいました。
そこで登場したのがIPv6(Internet Protocol version 6)で、これで表現可能なアドレス数は2の128乗と膨大な数値になります。表記の際には、0と1を128個も並べると誰も読めなくなってしまいますので、16進数で32桁(4桁ずつ区切る)の表記をします。
このとき、4桁で構成される各セクションの先頭に0があるとその部分は省略(ただし、0000は0と表記)でき、また連続するセクションが0000となる場合には一度だけ :: と表記をすることで省略することができます。
IPアドレスのクラス
IPアドレスは2進数で表した際の先頭の数値でクラスが決まっており、どのクラスになるかはネットワークを構築するコンピュータ等の数で決まってきます。
クラス | IPアドレスの最初の数値 (2進数) | IPアドレスの最初の数値 (10進数) | 用途 | 接続台数 |
---|---|---|---|---|
A | 0 | 1~127 | 大規模ネットワーク | 約1,600万台 |
B | 10 | 128~191 | 中規模ネットワーク | 約6.5万台 |
C | 110 | 192~255 | 小規模ネットワーク | 約250万台 |
ネットワークの構築に関してはサブネットという考え方もあり、こちらのほうが使われる機会は多いかと思いますので、別記事にて解説をしています。
プライベートIPアドレス
PCをお使いの方はコマンドプロンプトを開き、 ipconfig と入力をしてみてください。すると以下のように 192.168.x.x と表示されるかと思いますが、これがプライベートIPアドレスです。ローカルIPアドレスと呼んだりもします。
これは家庭内や職場内での小規模なネットワーク(LAN:Local Area Network)内に割り振られるIPアドレスで、インターネットからは直接アクセスできません。公開されていないという意味でプライベートと名付けられているものです。
プライベートIPアドレスの範囲
各クラス内にはプライベートIPアドレスとして割り振ることが可能な範囲があります。特に意識することはないかと思いますので「そんなのがあるんだ〜」くらいの感覚で問題ありません。
クラス | プライベートIPアドレスの範囲 |
---|---|
A | 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 |
B | 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 |
C | 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 |
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスはインターネットを経由してアクセスできるアドレスを意味し、世界中の誰とも重複しないようになっています。
例えばご自宅内のPCからGoogleに接続される際には次のようなルートでやり取りをすることになります。
図内にて、プライベートIPアドレスが付与されているPCがパブリックIPアドレスに変換されてLAN外と通信をしていますが、この変換に使用されるものがNATといい、ルーターなどに組み込まれています。これもまた別の記事にて詳細をご説明していますので、是非ご覧いただければと思います。
なお、プライベートIPアドレスを確認するためには ipconfig をコマンドプロンプトで入力すれば大丈夫でしたが、グローバルIPアドレスは表示されません。ですが、CMANのIP確認サービスを使うことで無料で調べることも可能です。
ただ、グローバルIPアドレスは不定期に変更されてしまいますので、同じIPアドレスを利用したいという方はインターネットプロバイダーにIPアドレス固定化サービスを申し込む必要があります。
IPアドレスとドメイン名の関係
インターネットを経由して他のコンピュータ等と通信をする際にはグローバルIPアドレスを利用するというのはご理解いただけたかと思います。しかしながら、普段Googleを表示する際にIPアドレスを入力したことなんてないと思います。
これは、ドメインと呼ばれるものがIPアドレスに紐ついており、IPアドレスの代わりにドメインを入力することで通信ができるようになっているためです。
ドメインとは
ドメインとはIPアドレスと同様に住所を表すもので、よくIPアドレスは土地、ドメインは家みたいな感じで言われ、グローバルIPアドレスと同様に世界で一つのみしか存在しません。
ドメインといわれてもなかなかピンと来ない方がいらっしゃるかもしれません。皆さんのよく目にするURLの中のwww以降/までの間の文字列がドメインを指します。また、Webサイトのアドレスのほかメールアドレスの@以降もドメインです。
このドメインですが、Xserverドメインやお名前.comなどで簡単に入手することができます(.comだと取得に1円、管理に年1,000円強といったところです)。ご自身でホームページやブログを作りたいという方や独自ドメインのメールアドレスを作りたい人は必須ですね。
また、無料でドメインを取得したい!という方は Freenom というサイトがありますので、そちらを利用してみてもいいかもしれません(.comなどは有料で、.tkや.mlなどのドメインが無料となっています。)。
少し話が外れてしまいますが、URLの冒頭に記載されている プロトコル とは通信の方法を意味します。httpsは「Hyper Text Transfer Protocol Secure」の略でWebサイトの閲覧を行うための通信方法であるhttpにおいて、通信を暗号化させているものです。
皆さんがもしネットショッピングをされる場合に、クレジットカードなどの個人情報を入力するページのURLがhttpですと第三者に個人情報が漏洩する可能性があり大変危険ですので、そのサイトでのショッピングはやめておきましょう。
これらのドメインとIPアドレスを紐付け(ドメイン→IPアドレスに変換)するためには、DNS(Domain Name System)というものが必要になります。
DNSについてはこちらの記事で解説をしていますので、お時間がございましたらどうぞご覧ください。
まとめ
ブログを見るする程度ではIPアドレスについて意識をすることはないと思いますが、実はIPアドレスはコンピュータなどの通信に関する設定を変更しようとするとよく出てくる単語です。それこそ、ニンテンドースイッチなどのゲーム機にもIPアドレス関連の設定項目があったりします。
コンピュータのネットワーク構築においては必須のものですので、ITの基礎知識を習得されたいという方は別途解説しているサブネット、NATやDNSなどとともに是非覚えておきましょう。
それではまた。
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